彼女の切り絵には、(彼女の全作品に言えることですが)作風を超えて世界観が通底しています。それは、時代と共に変化していく表現(暗い色調のシリアスなタッチから動物を思わす生き物をモチーフにしたもの、より抽象的な不定形なカタチと色が危ういバランスをとったものなど)にも揺るがない独自の軸が見えるのです。 その事が一番解りやすいのが、この「切り絵」かもしれません。素材・手数・マチュエルを最小限に削ぎ落とした素の顔が覗きます。例えば初期の油彩「岩のある風景」にみられるテクスチュアを追求したような作風とは正反対に線と面で潔いほどに構成されています。そこに作家の強い覚悟を感じるのです。













